牡蠣の味はさまざま、育った環境で違います。
矢野水産の牡蠣は?
その質問に、即座に返ってきた言葉は
「美しい牡蠣」
美しいとは見た目だけではありません。
味も、きれいで美しいといいます。
ある人は、”柑橘系に合う”とも表現しました。
牡蠣がじゃまをしない、透明感のある味。
その証に、牡蠣の苦手な人が何人も
矢野水産の牡蠣で牡蠣嫌いを克服しました。
特有の泥臭いクセがなく、するっと食べられる「美しい牡蠣」です。
「美しい牡蠣」を生み出すのは、呉市安浦町三津湾(やすうらちょう みつわん)海域。
それはそれは、海の底が見えるかのごとく美しく澄んだ海です。
三津湾は、真珠の養殖が盛んでした。
真珠はきれいな環境の産物、水質がきれいな証です。
矢野水産の創業は1958年、牡蠣の養殖をはじめました。
一年一年、階段を上がるように生産量も増えていきました。
きれいな環境がもたらす、安全性や味が優れている点。
一方で、きれい過ぎる海だからこそ、餌となるプランクトンが
少ないということも考えられるといいます。
「人口が少ないため、山から流れる水が多い。
すると、海の底にたまるものが少ない。
その環境こそが、臭みがなくクセのない牡蠣が育つのではないか。
あくまでも私の推測だけどね」
そう語るのは、創業者で社長の矢野勝利さん。
この道、もう60年以上になる。
社長はカレンダーも時計も要りません。
例えるなら、海の博士。
今のように、レーダーもない時代。多くの経験を積んできました。
山や海の自然を自らが感じ、天候はどうか、潮はどうか—
1年先のことを予測しながら進めていく。
おいしい牡蠣を作ることへの情熱は誰にもまけないが、相手は自然。
1年1年勉強で、この年になっても完全にこれだと言えることはないと
言います。
「生産者としては安全なものを作るというのを一番大事にしている。
とにかく、安全でいいもの お客様のために—」