広島市内を中心に10店舗以上をドミナント展開する餃子酒場「餃子家 龍」。そこで提供される餃子のお持ち帰り専門店が「餃子家 龍 古市店」です。井辻食産株式会社の専務取締役、井辻俊行さんと食品事業部・品質管理部・イベント担当の板垣勇一郎さんにお話をうかがいました。
市内の餃子酒場の【餃子家 龍】ならよく見かけるけれど、お持ち帰り専門店とは…?営餃時間を確かめて中に入ると、なんてスッキリ!広島県産食材を使った広島餃子は、きちんと箱入りになって並んでいました。入数と値段も分かりやすい!
「あら! この祇園パセリ餃子って、広島牡蠣餃子よりも高いんですね!」と、こういうことは、なぜかすぐに気づいてしまう私がいました。
「あ…そうですね。今気づきました。祇園パセリの味が感じられるくらいしっかり入れようとすると、かなりの量が必要なんです。だから少量で味が出てくれる牡蠣よりも高くなってしまうんでしょう。」とスタッフさん。
(皆さま、祇園パセリも広島県産応援登録制度に登録されている食材ですよ。)
どれも広島の食材を使った餃子なので、どれから紹介しましょうか。迷いますね・・・
「そうなんです。うちの餃子は基本的には県内の生産者さんを応援させてもらおうという思いがあって作っています。良いと思って選ぶと、広島県産応援登録制度にも登録されているんですよね」
うれしいですね。確かに豚肉は「瀬戸のもち豚」、広島菜や牡蠣など登録された商品をたくさん使ってくださっています。
「限定で作っている餃子は「JA広島市の直販小松菜」を使った小松菜餃子、みやもときくらげ農園の「川内きくらげ」を使ったきくらげ餃子です。小松菜は、葉は色良く仕上げるため、茎は食感を良くするため、とそれぞれ特徴を出せるように混ぜ込みます。きくらげは、乾燥タイプを使いますが、これも食感に特徴が出て、なかなか面白い餃子になりました。」
それにしても自社工場で、1日に1万個以上の餃子を製造しているという井辻食産さん。広島県産原料にこだわろうとすると、どうしても安定的に供給される食材に限られてしまいます。
「しかし量産できているものでも、やはり一次産品は自然を相手にしていますから、野菜は天候不良で予定の量が確保できないこともあります。豚など動物は病気になってしまうこともあります。山のものも海のものも、食材はすべて、自然の恵みの上に在るのだということをいつも感じています。」
井辻食産さんくらいの規模になると、工場で只々、機械的に大量に作っていくのだろうと思っていました。でも大量に製造する中にも、地元の生産者さんに還元したいという熱い思いを忘れずに、日々、新しい広島の餃子を研究し続けていらっしゃることが分かりました。
そして最後に「僕たちは、広島の誇れる食材を自慢の皮に閉じ込めて、広島の味として世に出していきたいんです!」と力強い言葉もいただきました。
生産者さんに何かメッセージをお願いします。
「ありがとう餃子います!!!」
文/平山友美