瀬戸内海でもここ三原付近の漁場は潮が早く、海老やカニなどたこの好きな高級な餌が豊富で、江戸時代からタコ漁は盛んでした。当時はニシという大きな貝を壺として利用。
その後、瓦屋が作る泥がめを使うようになりましたが、今はプラスティックです。
と言っても決して安いものではありません。
そのたこ壺を一度に大量な数を海に置いて帰るんです。それが、私たちのタコ漁。
ブイを付けずに山立て(遠近法による見立て)で入れるので取れるかどうかもわからない海に、自分の道具を投げて帰る。
せっかくいれたタコ壺が他の漁師に持って行かれてなくなることもある。
そりゃー、毎回どきどきですよ。
けれど小さいころから、親を見て育ったので、それなりに「感」も働かせてとりあげちょります。
たこ壺で行うタコ漁は、傷が少なく、きれいな姿の立派なたこが獲れます。
この立派なタコに、付加価値をつけて、三原の地名を発信し、地域貢献しようじゃないかと
組合で加工設備をつくりました。
水揚げしてすぐ活け締めにします。この時、水ぶくれを防ぐために塩水で洗ってから冷凍します。
生たこのぬめりを取るときは、塩を使いますが、三原やっさタコは加工の工程で丁寧に処理をしているので、水洗いだけでぬめりが取れます。
ゆでるととても柔らかく、ふっくらした旨味が広がります。
年に2回、春と秋の産卵期に資源保護のため休漁を実施しているため、この冷凍加工したもので安定的な供給を目指しています。
浅いところで獲れたタコは、色黒。
深いところで獲れるタコは色白、じゃなくて色赤。
タコは色々料理に使えるし、ゆでて切ってシンプルに食べるのもウマイ。
でもワシらが好きなんは、「たこしゃぶ」
薄くスライスしてしゃぶしゃぶにして食べる。
大抵の組合員の奥さんは、タコ漁を手伝うよ。その奥さんが薄くスライスしてくれる。
これも付加価値じゃね。
三原のやっさタコは、ワシらの自慢ですよ。